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疾患解説 小児の弱視|眼科

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小児の弱視(しょうにのじゃくし)

小児のうちに治療する病気です。何らかの理由で視力の発達が遅くなり、矯正しても(1.0)に届かないまま発達がとまってしまうことがあります。
目はカメラに例えられますが、カメラのフィルムにあたる網膜は、きれいな画像が映ることで解像度、即ち視力が発達します。網膜の、特に視力を司る中心窩というところにぼやけた画像しか映らなかったり、画像が映る時間が極端に短いと、視力が発達しません。

弱視の原因

先天眼瞼下垂や、黒目(角膜)の混濁、先天白内障やその他の病気で網膜に外からの光(画像)が届かないと弱視の原因になります。
両眼、あるいは片眼に強い遠視や乱視があると,網膜に焦点の合ったきれいな画像が映らないために視力は発達しません。
斜視があり、片眼しか使っていないと、もう片眼は焦点の合った画像が網膜に映りにくくなりますので、視力は十分には発達しません。

弱視の治療

両眼の網膜の中心窩にきれいに焦点の合った画像が映るようにすることが治療になります。原因となる病気がある場合にはそれらの治療が優先される場合があります。焦点の合った画像を網膜に映すためには遠視や乱視を矯正する必要がありますので、眼鏡を常時装用します。適正な眼鏡を装用することで見ているものの焦点が網膜の中心窩にきれいに合います。この状態で毎日を過ごすことで、徐々に網膜の解像度が上がり、視力が発達していきます。
小児は、目の調節力がとても強く、成人と同じ検査方法では遠視であっても近視の結果が出てしまったり、検査日によって測定した眼鏡の度数がかなり変わってしまいます。目が緊張していない安らいでいる時に測定できる遠視、乱視を矯正することが弱視治療の基本になります。そのために、眼鏡を処方する際には、目の調節力を和らげる検査用点眼薬を使用して遠視、乱視の測定をします。

斜視や、片眼だけ遠視や乱視が強いなどで片眼のみの弱視の時には、良い方の目の視力が正常まで発達したら、遮蔽(しゃへい)訓練をはじめます。遮蔽訓練とは、良い方の目を毎日、決まった時間だけ専用のシールなどで遮蔽して、視力の低い方の目だけで“見る”訓練をして、視力が発達するように促す治療法です。
弱視の治療開始時期として適切なのは3~4歳頃です。そのため、3歳児健診では視力測定の項目があります。その後、年齢が上がるごとに視力の発達も徐々にゆっくりになってきますので治療の期間はより長くなってしまいます。視力の発達が期待できる年齢は主に8歳半前後までと言われています。この時期を過ぎてしまうと正常まで視力が発達しない弱視の状態のままになってしまうこともあります。治療の時期を逸しないように、健診で眼科受診を勧められた場合には、様子を見ずにまずは一度眼科を受診してください。3歳で全ての検査をうまくできることは少ないのですが、検査ができないからといって通院の意味がない,ということはありません。何回か検査を重ねていくうちにゆっくりいろいろな検査が上手にできるようになっていきます。不安になったらスタッフにお声がけください。

両眼の視力が正常範囲まで到達してもすぐに安定するわけではありません。安定、定着していない時にすぐに治療をやめてしまうと、視力が低下してしまい、再度治療が必要になってしまう可能性があります。定期受診の指示が出ている間は、通院を中断しないようにしましょう。

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