外科・消化器外科からのお知らせ
2023.05.15 亀山 哲章医師が外科・消化器外科部長に着任いたしました(プロフィールのご紹介)
当科の特徴
当科では主に消化器疾患の治療を得意としており、腹部の急性期疾患の原因精査、手術、治療に対応しています。手術の7割弱は患者さんに負担の少ない腹腔鏡下手術で行い、多職種のチーム医療により患者さんの早期復帰をめざします。鼠径ヘルニアや乳がんにも対応しています。
- 当科の注力疾患
消化器:傷の小さな腹腔鏡下手術とは
当科は早くから腹腔鏡下の手術を取り入れ、最も得意としています。開腹手術よりも傷が目立たず、身体の負担が軽いため回復も早く、患者さんにとってメリットの大きい手術です。当科では胃がんや大腸がんのみならず、食道がんや肝胆膵疾患などの難易度の高い手術に対しても安全性を十分に確保した上でその適応を広げています。近年では、さらに傷が目立たないおへそからの術式〈単孔式腹腔鏡下手術〉も多く行っています。
①全身麻酔の上、腹部に小さな穴を空け、細い筒(トロッカー)を挿入します
②狭い腹腔内で手術がしやすいように、筒(トロッカー)から炭酸ガスを注入して腹部を膨らませます
③術者はモニターを見ながら、機器を操作し手術を行います
〈単孔式腹腔鏡下手術〉は、おへそに穴を開けて行う手術で、傷は1ヵ所ですみます。
※すべての疾患に対応するわけではありません。
普通の腹腔鏡下手術
傷は数カ所
単孔式腹腔鏡下手術
傷はへそ1ヵ所
●2021年度、当科は胃がん(28例)の82%を、大腸がん(106例)の92%を腹腔鏡下で行いました(くわしい実績はこちら)。虫垂炎(107例)にいたっては98%を腹腔鏡下で行っています。
鼠径ヘルニア(脱腸)
鼠径ヘルニア(脱腸)に対する治療は手術が原則です。手術の方法には、鼠径部を5~8㎝切開する「鼠径部切開法」と、傷が小さな「腹腔鏡手術」があり、特に当院では、傷がひとつですむ「単孔式腹腔鏡下手術」が可能です。
くわしくは特設ページ「鼠径ヘルニア」をご覧ください。
単孔式腹腔鏡下手術のお臍の傷の変化
乳がん治療-乳腺外来-
悪性腫瘍のなかの一つである乳がんの罹患率は増加傾向にあります。しかし、早期発見し、正しい治療を受けることができれば治る可能性の高い病気です。そして誰でも何歳でもなり得る病気です。
様々な情報が得られる今日において、必要以上に不安を抱いている方も多くみられます。少しでも気になる症状があれば、ネット情報や知人の情報に振り回されずにまずは受診してください。適切な検査、丁寧な診療を提供させていただきます。
当院の乳腺外来では、乳腺画像診断、手術、薬物療法を行っています。治療は、必要な検査を判断し、その結果をもとにいわゆる標準治療をしっかり説明した上で行います。乳がん検診などで要精査、経過観察と診断された方、他院で乳がんの診断となり治療先にお悩みの方は、まずはかかりつけ医にお問い合わせください。
おしりの悩み・・・痔の病気
痔は3人に1人が患う、ごく“一般的な病気”です。
診療する主な疾患は、痔核(いぼ痔)、裂肛(切れ痔)、痔瘻(あな痔)、直腸脱などです。症状としては出血、痛み、脱肛などがあります。
治療には薬物療法、手術療法があり、病態によって治療方法が全く異なることから、しっかり病態を見極めた上で治療方法のご提案をしています。痔の手術法の一つとして、PPH(環状粘膜切除)という器械を用いて行う術式は従来の痔の手術に比べ、術後の痛みがほとんどないのが最大の特徴です。
部位が部位なだけに、なかなか相談に来られず、ひとりで悩んでいる方も少なくないかと思いますが、直腸がん、肛門がんなど、重篤な病気が隠れていることもありますので、恥ずかしがらず、まずはかかりつけ医にご相談ください。