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災害拠点病院として

お知らせ

2024.02.01 1月11日~1月18日 能登半島地震 荻窪病院DMAT活動報告

災害拠点病院とは


災害拠点病院とは、災害時に多発する重症傷病者に対する救急医療体制を確保するため、

  • 高度な診療機能
  • 被災地からの重症傷病者の受け入れ機能
  • 広域搬送の対応機能
  • 災害派遣医療チーム(DMAT)の派遣機能

などを備えた病院であり、災害時に主に重傷者の収容・治療を行う病院を指し、当院は1987年に東京都より指定を受けました。

災害拠点病院は、耐震耐火構造で、3日分程度の医薬品、食料、水そして自家発電できる燃料の備えがなくてはならなく、その他にも、災害派遣チーム(DMAT)の配置、非常時の通信機能(衛星電話)の配備など様々な要件・基準をクリアすることにより指定されます。

災害拠点病院としての当院の役割と取り組み

当院は役割(ビジョン)のひとつに「災害時医療」を掲げており、平時は急性期・救急医療を提供し、大規模災害が発生したときは災害医療を提供することを使命としています。杉並区内において、災害拠点病院の指定を受けているのは、当院を含め2院のみ(平成31年3月現在)であり、災害時等には55万人の杉並区民および近隣住民の生命を守る社会的責任も非常に大きいものと捉えています。

杉並区では大規模な災害が発生した場合、超急性期(発災後72時間)は、緊急医療救護所を災害拠点病院および災害拠点連携病院等の敷地内に開設し、トリアージ※1や軽症者の治療を行う体制をとっています。災害拠点病院である当院も災害時には緊急医療救護所を開設し、杉並区医師会や関係各所と連携を図り、傷病者の治療を行う杉並区における災害時医療の中核的役割を担っています。
※1 トリアージとは、災害発生時に多数の傷病者が発生した場合、傷病の緊急度や重症度を判定して、治療や医療機関への搬送の優先順位を決めることを言います。

杉並区の災害拠点病院などはこちらをご参照ください(杉並区のくらしのガイドホームページより)
http://www.city.suginami.tokyo.jp/guide/kyukyu/hinanjo/1017296.html

災害医療では、一人の患者にかける医療の「質」よりも、いかに多数の患者に対して、限りある医療を迅速かつ効率的・効果的に提供できるか、という観点が常に要求されます。そのため常日頃からの訓練の積み重ねが非常に重要となります。

組織・スタッフ

■災害対策委員会
病院幹部(副院長)を委員長とし、年2回の大規模災害訓練を始めとした院内訓練や勉強会の企画・運営を行っています。また行政や近隣医療機関と連携を取り、災害医療についての情報共有や知識のブラッシュアップに努めています。

■災害対策本部
発災時には、病院内に災害対策本部を設置し、病院長を対策本部長として被災状況報告を各部署より受け、医療継続の可否を判断します。
災害対策本部は、災害医療への切り替えを判断し、病院機能の復旧に全力を挙げて取り組み、被災者受け入れ態勢を確立します。

定期的な大規模災害訓練の実施

年に2回の大規模な災害訓練を実施し、さらに小規模な訓練も毎月実施することで、災害への備え・意識を高め、有事の際にも、対応できる技術・知識を磨いています。
大規模災害訓練では、緊急医療救護所を開設し、震災シナリオのもと、トリアージから重症度別エリアへの患者搬送、手術・入院対応、他院転送依頼連絡まで行っています。

2018年12月の大規模災害訓練の様子

土曜日の午後を利用して、大規模災害訓練を実施しました。
杉並保健所や杉並区医師会の防災担当の先生方にも参加いただき、職員140名とともに実施。

2014年8月の東京都・杉並合同防災訓練の様子

東京都・杉並区合同防災訓練では、当院に近接する桃井原っぱ公園が会場となり、当院も緊急医療救護所として初の訓練となりました。と多数の模擬患者のトリアージ訓練を始めとして、対応困難な傷病者の被災地外へのヘリコプター搬送やDMAT・都医療救護班の受け入れ訓練など、東京都・杉並区ほか各防災機関との連携強化を図るなど、大規模かつ実践的な訓練を実施いたしました。
本訓練について詳しくはこちらをご参照ください(東京都防災ホームページより)
https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/taisaku/torikumi/1000067/1002505/1000059/1001652.html

DMAT

DMATとは「災害急性期に活動できる機動性を持った、トレーニングを受けた医療チーム」と定義されています。
災害派遣医療チーム「Disaster Medical Assistance Team」の頭文字をとって略してDMAT(ディーマット)と呼ばれています。
チームの構成員は、医師、看護師、業務調整員(医師・看護師以外の医療職及び事務職員)で構成され、大規模災害や多傷病者が発生した事故などの現場に、急性期(おおむね48時間以内)に活動できる機動性を持った、専門的な訓練を受けた医療チームです。
当院でも、「日本DMAT員養成研修」の受講を終えたDMATを有しています。

2024年1月11日~1月18日 能登半島地震 荻窪病院DMAT活動報告

2024年1月10日(水)夕方より、第5次派遣隊として出動要請が出ました。

意志決定と準備に費やせる時間は短く、各部署に協力してもらい、医師1名、看護師2名、業務調整員1名で、1月11日(木)17:00に出発しました。

到着前から道路の多くに崩落/亀裂/土砂堆積/積雪などで通行規制が存在し、被災していることを実感しました。1月12日(金)16時に、石川県輪島市役所内の輪島市保健医療福祉調整本部に到着。避難所の対応をする部門に配属されました。輪島市門前地区の避難所の状況調査や健康相談、インフルエンザが急増している避難所でのスクリーニング検査と治療薬処方を主に行いました。

被災者の方々はそのような状況の中でも、笑顔で過ごされていたのが印象的でした。派遣された荻窪病院DMAT4人、微力ながら被災地域のお役に立てたと思います。また、この派遣を陰で支えた様々な人々に感謝します。避難所にいた人々、被災された方々が、少しでも早く元の生活を取り戻せるように願ってやみません。

救急科部長/DMAT医師 辻 晋也

杉並区・学校法人中央大学杉並高等学校・当院との三者間での協力協定の締結

災害時には、多くの患者さんを収容するスペースが必要となりますが、当院には十分なスペースがありません。そこで、隣接する中央大学杉並高等学校と杉並区と当院の三者間での協力協定を締結し、災害時には、高等学校の体育館や柔道場などを治療後の患者さんの待機場所などとして利用できるよう取り決めています。可能な場合には、負傷者の搬送も生徒さんたちに担っていただきます。
また、大規模な災害訓練では、高等学校の生徒さんにも参加いただき共に訓練を実施するなど、地域の皆様と共に進める災害医療対策にも積極的に取り組んでいます。
三者間の協定についてはこちらをご参照ください(杉並区広報課 H26.7.4より)
http://www.city.suginami.tokyo.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/012/902/260704byouinntogattkounokyoutei.pdf

近隣医療機関の災害訓練へ参加(2016年9月)

近隣医療機関(協力病院)の災害訓練にも積極的に参加しています。
災害時にも迅速に医療連携が行えるよう、常日頃から情報共有を図っています。

道路標識の設置

2018年12月より、病院周辺の主要幹線道路(環状八号線・青梅街道)に、道路標識を設置しました。
日頃より近隣の方々に当院を認識していただくとともに、災害時には、被災された方々に災害拠点病院を幅広く認知していただくことを目的として設置しております。

災害はいつ発生するかはわかりません。常日頃からの準備や訓練を継続することが重要であり、災害を身近に意識し続け、関係各所と地域の皆様と連携を図りながら対処できるように今後も取り組んでまいります。

活動履歴

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