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疾患解説 不整脈③|循環器内科

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不整脈とカテーテル
アブレーション

動悸のドキドキ感が強く、不快感や不安を抱えている方には、カテーテルアブレーションというよい治療法があります。ここでは、当院で行なっているアブレーション(心筋焼灼術)についてご説明します。

脳梗塞のリスクを高める心房細動

心筋を焼く!カテーテルアブレーション

アブレーションの合併症や再発について

その他のアブレーション適応の不整脈

不整脈とカテーテルアブレーション③
アブレーションの合併症や再発について

カテーテルアブレーション治療は、動悸発作の気分不快から解放される、非常に良い治療法と考えられます。しかし、心臓の中に針を入れて穴を開けたり、その穴を通して固い電線を数本入れたりしなければならず、合併症が起きた場合は重大な事態になる可能性もあります。
また、高齢になるほど合併症の起きる可能性が高まると言われております。そのため、当院では、特別な理由がない限り、80歳以上の方の心房細動アブレーションはおすすめしません。

重大な合併症 ・死亡 ・心臓、血管、神経の損傷 ・脳梗塞、血栓塞栓症
その他の合併症 ・出血 ・気胸 ・肺塞栓症 ・コレステロール塞栓症 ・麻酔による合併症 ・その他

再発の可能性について

心臓内にやけどを多く作る治療ですので、治療直後にはやけどのむくみによって、その刺激でかえって心房細動が誘発されることがあります。その場合には、やけどが完全に落ち着いてくる4-6ヵ月くらい様子を見ていただいて、その時点でまだ心房細動が多く見られるようであれば、再治療を検討させていただきます。 また、アブレーション治療が、心臓の一部にやけどを作ることによって、電気を遮断する治療であると説明しましたが、 人間の体にはやけどを治す力があります。やけどが治ってきたときに、一緒に電気を通す性質も回復してくることがあります。電気を通す性質が回復すると、不整脈の発作が再び現れ、再発することになります。

治療実績と今後

心房細動のカテーテルアブレーション治療は、狭心症や心筋梗塞のカテーテル検査に比べると、患者さんの数も少なく、受け入れのできる病院も少ないのが現状です。また、治療自体も始まってようやく20年が過ぎようとしており、まだ歴史の浅い治療法です。そのため、肺静脈の隔離の仕方も、施設ごとに違うのが現状です。
治療成績は、発作性心房細動の場合で、1回での成功率が約60-70%、再発したものに対し2-3 回治療の追加を行うことで90%の成功率と報告されています。
慢性心房細動の場合には、複数回施行しても、約60-70%の成功率と報告されています。
心房細動が良性の不整脈であるということ、重大な合併症の可能性、成功率が複数回施行して80-90%であるということから、心房細動の方の全てに治療が必要というわけではありません。心房細動の症状に困っており、これらの危険、成功率に対しご理解いただける方が治療の対象になると考えています。
また、心房細動が加齢による心筋障害が原因であり、心房細動のカテーテルアブレーションの歴史がまだ20年程度しかない新しい治療であることより、20年30年先に再び出現してくる可能性も高いものと考えています。その意味では、寿命を全うするまで、この先心房細動が全くなくなるわけではないこともご承知いただければと思います。

受診から入院、退院後の生活について

初回の診察時には、心電図、心エコー、採血などの検査を行い、診断の確定を行います。カテーテルアブレーションを実施することになったら、術前の検査として心臓CTを行います。
入院は前日にしていただき、最短で1泊2日、患者さまによっては4~5日の入院期間になります。
アブレーションの手術時間は2~5時間で、術後はしばらくベッド上での安静が必要です。
退院後は普通に生活ができ、1~2カ月に1度の外来で様子を確認します。

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