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疾患解説 男性不妊治療

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当科での男性不妊診療の流れ

男性不妊治療は、生殖医療専門医である大橋医師が行っています。当科を受診希望の方は、診療日等について、事前に当科外来まで問い合わせすることをおすすめします。
他の婦人科不妊クリニックや泌尿器科からの紹介状(診療情報提供書)をお持ちの方は、予約が可能ですので、地域連携室(03-3399-0257)までお電話ください。
当科の診療は、原則として保険診療で行っています。後述する虹クリニックと連携した諸治療や、ED(勃起障害)に対するバイアグラ等の内服治療も2022年4月より保険診療となりました。
患者さんが多く、診療までお待たせすることがあります。時間の余裕を持って受診されることをおすすめします。

受診前にご主人様は3日以上の禁欲期間を設けてお越しいただければ、初診時の精液検査が可能です

▲ 男性不妊診療担当 大橋 正和

医師紹介

泌尿器科

男性不妊診療担当[非常勤]

大橋 正和

Oohashi Masakazu

入職
2003年
主な専門分野
泌尿器一般、男性不妊、小児泌尿器
認定資格・所属等Qualification / Affiliation
  • 医学博士
  • 日本泌尿器科学会専門医・指導医
  • 日本腎臓学会認定専門医
  • 日本生殖医学会生殖医療専門医・指導医
  • 臨床研修指導医
  • 東京都身体障害者診断指定医(じん臓機能障害、ぼうこう又は直腸機能障害)
  • がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会修了
  • 日本アンドロロジー学会評議員
経歴History
1982年 慶應義塾大学医学部 卒業
1987年 国立埼玉病院泌尿器科
1992年 東京歯科大学市川総合病院泌尿器科講師
1998年 国際医学交流としてブラジル(アマゾン、サンパウロ)に4ヶ月間滞在し医療視察
1999年 国立大蔵病院泌尿器科
2002年 国立成育医療センター泌尿器科
2003年 荻窪病院泌尿器科医長
2006年 荻窪病院泌尿器科部長
1992年 慶應義塾大学医学部泌尿器科非常勤講師 現在に至る
2021年 荻窪病院男性不妊診療部長 
2023年 荻窪病院男性不妊診療担当 非常勤
メディア実績・著書Media / Book

■著書

  • 不妊・不育診療指針(著分担)精管・精嚢造影:633-637、中外医学社、東京、2016
  • ジェネラリストのための外来診療・処置ガイド(著分担)男性不妊症:221-222、医学書院、東京、2016
  • 看護のための最新医学講座、泌尿・生殖器疾患(著分担)男性不妊症:272-286、性分化異常:286-90、中山書店、東京、2007
  • 看護学学習辞典(著分担)不妊症:1408-9、精子:345-6、精液:342、勃起障害:589、学研、東京、2008
  • 男性不妊症の臨床(著分担)精索静脈瘤の腹腔鏡下手術:176-181、メディカル・ビュー社、東京、2007

■メディア実績

  • WEBサイト「ママテナ、mamatenna」男性不妊について概説:2016年5月6日、5月10日、5月14日
  • 朝日新聞朝刊「男性不妊 精子探し出す手術」に掲載、2015年5月19日
  • 男性版婚活マガジン「MEN’S JINEKO」TESE(精巣内精子採取術)は男性不妊の救世主だ!2013年9月
  • 東洋経済オンライン『ヘルス』プロが語る男性不妊の傾向と対策、2013年6月28日
  • 女性のための婚活マガジン「JINEKO」MD-TESEのセカンドオピニオン、2012年冬季号
  • 読売新聞朝刊「病院の実力121」「男性不妊専門医の治療成績」 に掲載、2012年7月29日
  • NHK総合TV「首都圏ネットワーク」に男性不妊で出演、2012年4月5日
  • 読売新聞朝刊「医療ルネッサンス」「男性不妊症 低ゴナドトロピン性性腺機能低下症の治療」に掲載、2012年1月27日
  • 読売新聞朝刊「からだの質問箱」「2歳息子の包茎 手術必要?」に回答、2008年10月26日

メッセージMessage

泌尿器科は身体のなかでも恥ずかしい部分を担当する科ですので、受診に抵抗を感じるかもしれません。尿のこと、精巣(睾丸)のことでおかしいと思ったら、荻窪病院泌尿器科を受診いただきたいと思います。
また、結婚後お子様を希望されて1年たっても奥様が妊娠されない場合、男性不妊の疑いがあります。男性不妊の診療も当科で担当していますので、荻窪病院泌尿器科に問い合わせの上、受診いただきたいと思います。

インタビューInterview

泌尿器科に来られる患者さんはどういった症状の方が多いのでしょうか。

泌尿器科の担当する主たる臓器は腎臓、膀胱、前立腺、尿道といった尿の通り道です。患者様の症状としては、尿をすると痛い、尿が出にくい、尿の回数が多い、尿ががまんできない、尿が漏れる、尿に血が混じるなど、実に多彩です。結石が尿管に詰まると、腎臓や尿管の部位(脇腹~側腹部)の激痛を伴います。また、尿にばい菌が入ってこじれると、尿をすると痛いという症状に加えて、高熱が出ます。患者様の年齢は、子供から高齢の方まで様々ですが、高齢化社会の影響で、高齢の方が圧倒的に多い印象があります。患者様の男女比は、男性7割、女性3割といったところです。

男性比率が多いですね。

そうですね。男性は前立腺というものを膀胱の出口に持っていて、年配になると、この前立腺が肥大して尿流を邪魔して、尿が出にくい、尿の回数が多いといった症状を引き起こします。さらに、人間ドックや検診で、前立腺がんマーカーであるPSA値が高いことを指摘されて、つまり前立腺がんの疑いありということで、受診される方が多くなっています。それから、泌尿器科は、精巣(睾丸)、陰茎といった男性生殖器も扱いますので、性生活がうまくいかない方、勃起障害(ED)の方も受診されます。
さらに最近、男性ホルモン低下による「男性更年期」という病態が話題になっており、最近精力がない、やる気が起こらないという方も診療対象になります。このように、泌尿器科は守備範囲がたいへん広い診療科です。

ご専門の「男性不妊」についてお話を聞かせていただけますか。

これは私の専門ですが、男性不妊症があります。結婚し、通常の夫婦生活を行っているのにお子さんに恵まれないご夫婦のうちのご主人サイドの診療を、泌尿器科が担当します。不妊原因の割合は、ご主人サイドが約50%、奥様サイドが約60~70%を占め、重なりあいの10~20%はご主人と奥様の両方が原因という場合です。ですから、不妊症の原因の約半数はご主人サイドにあるのです。当院では、ご主人サイドの診療を泌尿器科が、奥様サイドの診療を併設の女性不妊サテライト「虹クリニック」が担当して、緊密なる連絡の下に、ご夫婦両方の不妊治療を行っています。

男性不妊について、もう少しお話を聞かせていただけますか。

患者様の多くを占めるのが、精液中の精子の数が少ない、精子の運動性が少ないなどの原因で、奥様が妊娠に至らないケースです。さらに、他の婦人科不妊クリニックで精液検査を受けたところ、無精子症を指摘され、私のところを紹介されたという方もいらっしゃいます。
また、性欲がない、射精ができないという方も受診されます。日本生殖医学会という生殖に関する医学会で認定された専門医は、2022年4月現在973人います。しかし、多くが産婦人科医で、泌尿器科医は71人のみです(私、大橋も専門医です)。このようにたいへん数が少ない泌尿器科生殖医療専門医のひとりである私のことを、患者様ご夫婦がメディアで検索されて、受診されています。遠方から来院される方もいらっしゃいます。毎年約300人以上の男性不妊初診患者様が、当科を受診されています。男性不妊症の具体的治療としては、精索静脈瘤が原因で精子の所見が悪い方には手術(低位結紮術、2泊3日入院、腰椎麻酔)をお薦めしています。
また、治療不可能な無精子症の方には、顕微鏡下精巣内精子採取術(TESE)を施行し、回収された精子を虹クリニックで保管して、奥様から得られた卵への顕微授精(ICSI)に供しています。TESEの精子回収率は、精子の通り道が詰まっている「閉塞性無精子症」で約90%以上、詰まっていない「非閉塞性無精子症」で約30%です。

一般の泌尿器科の治療について教えていただけますか。

膀胱がんは、尿に血が混じることが初発症状となります。この血尿には、目で見てわかる血尿(肉眼的血尿)と、人間ドックや検診で指摘される尿潜血陽性(顕微鏡的血尿)があります。いずれも痛くもかゆくもありません。そのような患者様には、私達は、膀胱がんを念頭において検査を進めます。尿中のがん細胞の検査に加えて、超音波検査(エコー)で尿の通り道を丹念に調べます。最終的には内視鏡(膀胱鏡)で、膀胱内を観察して膀胱がんの確定診断を行います。膀胱がんが発見されると、CTやMRI検査で膀胱がんの広がりを調べた後に、約1週間入院いただいて、内視鏡的切除術(TUR-BT)を施行します。当科ではこの手術を年間約80例施行しています。
最近では、人間ドックや検診で、前立腺がんマーカーであるPSA値が高いことを指摘されて、つまり前立腺がんの疑いありということで、受診される方が多くなっています。そのような患者様には、経直腸的前立腺生検(2泊3日入院、腰椎麻酔)を積極的に薦めていて、当科では年間約80例に施行しています。前立腺がんと診断された方には、CT、MRI、骨の検査等を施行して、前立腺がんの広がりを調べ、個々の患者様に応じた治療(手術療法、放射線療法、ホルモン療法)を施行しています。
尿路結石症に関しては、残念ですが、2012年に尿路結石症に関する体外衝撃波破砕治療を終了しました。したがって、当科は、尿路結石症の痛みに対する応急処置は可能ですが、外科的治療が必要な場合は、治療対応できる他の施設をご紹介しています。
また、当院では、慢性腎不全に対する透析治療には対応できませんので、そういう患者様には、透析治療ができる他の施設をご紹介しています。

今後、泌尿器科として力を入れていきたいことはありますか。

当科は、2014年から常勤医師数が2名から3名に増え、よりきめの細かい一般泌尿器科の診療ができるようになりました。あらゆる泌尿器科疾患の診療を行っていますので、遠慮なく受診していただきたいと思います。今後は、大学病院と提携し、腎臓の病気に対する腹腔鏡下の手術を取り入れてゆきたいと思っております。男性不妊症に関しては、患者さんのニーズがますます増えていますので、今後も力を入れていきたいと思います。

それでは最後に、近隣の先生や患者さんへのメッセージをお願いします。

近隣の地域の先生方とは、年に数回ある病診連携の会を通して、顔の見える医療と言いますか、ドクター同士の面識もできましたので、ぜひ当科に泌尿器の患者様をご紹介いただければと思います。外来患者さんが多くて、診療までお待たせしてしまうのが心苦しいのですが、責任を持って必ずその日のうちに診察いたします。緊急の場合は、当日の外来担当医に直接お電話していただければと思います。

患者さんに対しては、何か尿のことでおかしいなと思ったら、恥ずかしがらずにかかりつけの先生に相談していただきたいと思います。

泌尿器科というのは身体のなかでも恥ずかしい部分を担当する科ですので、受診に抵抗感を感じる方が多いと思いますが、腎臓、膀胱、前立腺、精巣(睾丸)等のがんが潜んでいることがあります。一番怖いのは血尿です。目で見て血尿が出た、痛くもかゆくもない、2、3日したら出血が止まった。だから医者に行かなくてもいいと放置すると、病院受診時には、それが進行した膀胱がんになっていたということがあります。患者様が病院にいらっしゃる時期が遅れると、その間にがんは進行してしまうのです。なるべく早期がんの段階で診断し治療する、それが鉄則です。また、ばい菌が尿に入ってこじれると、熱が出て、生命にかかわるほどに重症となります。尿のことで何かあれば、早いうちに荻窪病院泌尿器科を受診いただけたら幸いです。

診察当日
①診療前に、ご夫婦の情報、男性機能(性欲、勃起、射精)等を問診票に記入いただきます
②尿検査をします
③医師の診察
④診察後に精液検査、ホルモン検査(採血)をします

次回診察日
検査結果を基にした診断と治療方針をお話します

精索静脈瘤に対する手術治療
―リンパ管温存低位結紮術ー

精索静脈瘤とは

精索静脈瘤とは、陰嚢の静脈が拡張した状態をいいます。静脈とは、内臓を栄養し終わって心臓に戻る血管のことです。陰嚢静脈の血液は『精巣静脈』を通っておなかの中の太い静脈に入り心臓に戻ります。しかし、起立している時や、おなかに力を入れた時に、血液がおなかの中の太い静脈→精巣静脈→陰嚢静脈へと逆流し、陰嚢静脈に鬱滞(うったい)した血液のために陰嚢が腫れて見えます。これが精索静脈瘤です。精索静脈瘤は生まれつきのものであり、静脈の特殊な走行のため、精索静脈瘤はほとんど左側に生じ、軽いものを含めると全成人男性の10~20%に見られます。

精索静脈瘤と男性不妊症の関係

静脈血が陰嚢静脈に鬱滞(うったい)すると、精巣の温度が高まり、精巣での精子を造る機能が障害され、精液所見が悪くなります。すなわち、精索静脈瘤は男性不妊の原因となります。通常、精索静脈瘤は無症状で、泌尿器科専門医の診察により初めて発見されます。時に、患者さん自身が陰嚢の腫れや違和感に気付くこともあります。

精索静脈瘤の手術適応

お子様を望まれて男性不妊外来を受診され、精液検査で精液所見が不良で、高度な左精索静脈瘤が認められたご夫婦には、治療法の一つとして精索静脈瘤手術をお話しています。また、陰嚢の腫れや違和感といった症状のある患者さんに対しても、手術の相談にのっています。精索静脈瘤の手術は、精巣静脈を縛って、陰嚢静脈への血液の逆流を止めることにあります。精巣静脈を縛っても、静脈血は他の静脈を通り心臓に戻ってゆくので心配ありません。

実際の手術方法

左下腹部を約2.5センチ切開します(図1)。手術用顕微鏡を用いて、精索(動脈、静脈、リンパ管を含む束)の中の、精巣静脈のみを縛る『顕微鏡下低位結紮術』を行います(図2)。リンパ管を残すことにより、陰嚢水腫という合併症を防ぐことができます(図3、4)。手術は、入院のうえ全身麻酔、または腰痛麻酔下に行います(月:入院、火:手術、水:退院)。所要時間は90分ほどです。手術創はテープで留めるので抜糸の必要がありません。この手術は保険が効きます。


  • 図1 手術創の位置(赤線)

  • 図2 顕微鏡下で手術中

  • 図3 手術前の精索

  • 図4 手術後の状態 動脈(赤△)1本、リンパ管(黄色△)2本が温存

手術後の精液所見改善率、妊娠率

手術による精液所見改善度は、手術後3ヵ月、6ヵ月の精液検査で評価し、手術により約50-60%の患者さんの精液所見が改善します。また、精液所見には表れてきませんが、手術により精子のDNA損傷の度合いが改善するということが分かっています。手術後の患者さんへの聞き取り調査で、約35%のご夫婦が妊娠に至っていました(通常の夫婦生活、人工授精(AIH)、体外受精(IVF)、顕微授精(ICSI)を含めて)。

無精子症に対する精巣内精子採取術(TESE)

虹クリニックでの顕微授精(ICSI)に提供
当科と虹クリニックは、無精子症や射精ができないご主人様の精巣から直接精子を採取(TESE)して凍結保存し、それを奥様の卵と体外で顕微授精(ISCI)させ、受精卵(胚)を奥様の子宮に移植(ET)するという一連の治療を緊密なる連携の下で行っています。当科がTESEを、虹クリニックが精子の凍結保存、ICSI、ETを担当します。TESEは荻窪病院手術室で行われます。TESE時には、精子・卵を扱う専門職種である「胚培養士」が、虹クリニックから荻窪病院に出張し、TESEで得られた精巣組織を拡大顕微鏡下にほぐして、精子が存在すれば回収して、虹クリニックに持ち帰り、ICSI用に凍結保存します。

TESEの適応疾患

(1)閉塞性無精子症
精巣では精子はできているのですが、精子の通り道が閉塞しているために、精液中に精子がない場合です。閉塞性無精子症では、精巣容積、血中ホルモン値は正常に保たれます。閉塞部位が明らかな場合は、手術で閉塞を解除することにより、精液中に精子を出現させることができます。しかし手術が不成功の場合や、手術が不可能な場合は、TESEの適応となります。
(2)非閉塞性無精子症
精巣で精子が十分にできないために精液中に精子が無い場合です。この場合、精巣容積は小さく、血中ホルモン値、特にFSH値が高くなります。精巣内でわずかに精子が造られている箇所を求めてのTESEが適応となります。染色体異常を合併することがあります。
(3)射精障害
どうしても射精をすることができない場合です。精巣で精子ができているかどうかは、精巣容積、血中ホルモン値より推察できます。TESEが検討されます。

TESEの方法と成績

TESEには、MD-TESEとC-TESEの2つの方法があります。MD-TESEとは、2泊3日の入院のうえ、全身麻酔、または腰椎麻酔下に、手術用顕微鏡を使用して、精巣内で精子が造られている箇所を求めて精巣組織を採取するもの(図5,6)です。MD-TESEにて回収された精子を図7に示します。麻酔を含め、所要時間は2時間~2時間半です。C-TESEとは、日帰りで、局所麻酔下に行うTESEのことです。手術用顕微鏡を使用せずに、約1時間で精巣組織の一部を採取します。C-TESEは、閉塞性無精子症であることが明らかで、100%精子回収が期待できる患者さんに行われます。当科における、MD-TESE/C-TESEの精子回収率の成績を下に示します。

子孫への影響

(1)染色体異常による無精子症の場合、TESEにより妊娠すると染色体異常が子孫に影響を及ぼす可能性があります。子供への影響は染色体異常のタイプに異なります。TESEを行うご夫婦には、染色体検査(血液検査、保険診療)をおすすめします。

(2)非閉塞性無精子症の患者さんの5~8%には、Y染色体上の精子を造るのに必要な遺伝子(AZF)に異常があることが分わかっています。AZFにはa,b,cのサブタイプがあり、AZFaまたはbに異常がある場合は、TESEを施行しても精子が回収できないことが分かっています。また、AZFcの異常では、TESEは可能ですが、子孫(男児の場合)に遺伝し、その男児が将来不妊症となる可能性があります。TESEを行うご夫婦には、Y染色体遺伝子(AZF)検査(血液検査、保険診療)をおすすめします。

(3)閉塞性無精子症の1つである先天性精管欠損症の患者さんでは、嚢胞性線維症という病気で見られるのと同様の遺伝子異常のある方が多いということが海外で報告されていますが、しかし、現在のところ、先天性精管欠損症よりTESEで誕生したお子様に、嚢胞性線維症の合併例はありません。


  • 図5 MD-TESEでの精巣所見

  • 図6 MD-TESE(手術用顕微鏡視野)

  • 図7 MD-TESEで回収された精子

当科のMD-TESE/C-TESEの精子回収率(2012~2022年度 計167例)

術前診断 精子回収(+) 精子回収(-) 精子回収率(%)
閉塞性無精子症 53 6 59 90
非閉塞性無精子症 31 67 98 32
射精障害 10 0 10 100

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