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疾患解説 不整脈①|循環器内科

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不整脈とカテーテル
アブレーション

動悸のドキドキ感が強く、不快感や不安を抱えている方には、カテーテルアブレーションというよい治療法があります。ここでは、当院で行なっているアブレーション(心筋焼灼術)についてご説明します。

脳梗塞のリスクを高める心房細動

心筋を焼く!カテーテルアブレーション

アブレーションの合併症や再発について

その他のアブレーション適応の不整脈

不整脈とカテーテルアブレーション①
脳梗塞のリスクを高める心房細動

不整脈はなぜ起こるの?

ひとつは老化現象です。人間は年を取ると、皮膚にしわができたり、頭髪は白くなったりといった、いわゆる老化現象がみられるようになってきます。心臓も人間の体の一部であるので、年を重ねるにつれ心臓の筋肉に変化を起こしてきます。しかし、心臓は体の中にあるので目で見ることはできませんね。
痛んだ心臓の筋肉は、時々、異常な電気刺激を出すことがあります。特に疲れがたまっている時やストレスの多い時などは顕著になります。そのような異常な電気刺激で、脈が飛ぶような不整脈を期外収縮(きがいしゅうしゅく)と呼びます。この期外収縮自体は良性の不整脈で、どんな人にもあるものですが、この期外収縮をきっかけに、心房がけいれんを起こしてしまうことがあります。心房がけいれんを起こしている状態を心房細動(しんぼうさいどう)と呼びます。

心臓は電気刺激で動いている
心臓には4つの部屋があり、上部の部屋は右心房、左心房と呼ばれ血液を一時的にためて下の部屋へ送り出すための補助的役割をしています。下部の部屋は右心室、左心室と呼ばれる大きな部屋で、右心室は肺へ血液を送り出し、左心室は全身へ血液を送り出す心臓のポンプ機能の中心的役割を果たしています。

右心房の上部には洞結節(どうけっせつ)と呼ばれる脈を作るところがあり、ここで正常の人であれば、1分間に約60から80回の規則 正しい電気刺激が作られています。心臓の中にはこの電気刺激を心臓全体に伝えるための電線が走っていて、洞結節で作られた電気刺激は心臓内の電線を通って心臓全体に伝わり、心臓を動かしています。ただし、心房と心室の間には電線は1本しかなく、心房と心室をつないでいる電線を房室結節(ぼうしつけっせつ)と呼び、そのほかの部位では電気が伝わらない仕組みになっています。
不整脈とは、この心臓内の電気刺激の乱れにより、脈が飛んだり、早くなったり、遅くなる症状のことをいいます。

脳梗塞を引き起こす心房細動

心房細動になると心房内の電気が無秩序になって、そのうちのいくつかが房室結節を通り、心室に伝わるので、脈拍が不規則になります。心房細動は自然に止まることもあります。
また、心房細動時にお医者さんにかかって、薬を点滴したり、内服したりして止まることもあります。
病気には悪性のものと良性のものがありますが、心房細動は良性の不整脈と考えられています。それは、心房細動という不整脈で直接死亡することはほとんどないと考えられているからです。

しかし、まったく何もしなくてよいというものでもありません。心房細動になると脳梗塞の危険が高くなるといわれています。それは、心房がけいれんすることによって、動きが悪くなり、心房内の血液が固まってしまい、その血液の固まりが何かの拍子に流れてしまうと、脳梗塞などを引き起こします。そのため心房細動がみつかると、脳梗塞の予防薬を飲んで頂くことになります。
また、心房のけいれんが高頻度に心室に伝わると、脈拍が非常に早くなり、1分間に150回から200回近くの脈拍になることもあります。 そんなに早い脈拍が数日続いたりすると、心臓の筋肉も疲れてしまい、心臓の収縮力が落ちてしまい、息切れがしたり、苦しくなる心不全の症状が出現することもあります。そのため、脈の速い心房細動の方には脈拍を遅くする薬を飲んで頂くことになります。

また、心房細動を予防する作用の薬を飲んで頂いて、心房細動をおこしにくくする方法もあります。しかし、薬の効果はまちまちであり、薬でほとんどでなくなる方もいれば、薬の効果がない場合もあります。

心房細動(しんぼうさいどう)
心房細動は老化現象などによる傷んだ心筋が原因で誘発されるため、老化による不整脈ともいえます。人口統計的にも高齢者ほど心房細動の方は多くなる傾向があり、60歳以上の方の約1割の方に心房細動があるともいわれています。また、高血圧、弁膜症、心筋梗塞などの心筋が痛みやすい病気があると心房細動も起きやすくなり、ストレスや寝不足、疲れなどで誘発されやすくなります。

強い動悸や脳梗塞が不安な場合は

症状は心房細動が起きると動悸感が強く、不安になる方もいれば、まったく症状のない方まで様々です。 また、発作の出方も、1日のうちに何回も短い発作がある人、数ヶ月に1度くらいしか発作のない人(発作性心房細動)、何年も心房細動が持続している人(慢性心房細動)など、発作にもいろいろなタイプがあります。一般的に何年も発作が持続している場合には、症状があまりなく、普通に日常生活が送れる場合がほとんどですので、心房細動で困ることがなくなります。基本的には良性の不整脈ですので、脳梗塞の予防と脈拍数が早くなることが続かないようにすることで生活の質、寿命に影響することはないと考えられます。
しかし、発作が時々出る場合には、発作時に動悸症状が強く、不快と感じる場合があります。中には発作がいつ起きるのか不安で、 外出ができなくなってしまう人もいます。そうした方には、カテーテルによる治療-カテーテルアブレーション-を行っています。

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