診療体制
脊椎センターでは、脊椎の専門医が週6枠の外来を行っており脊椎の外傷、ヘルニア、脊柱管狭窄症などの慢性疾患、腫瘍などに対応しています。
腰痛、坐骨神経痛、骨粗鬆症性脊椎骨折、頸椎椎間板ヘルニアなどに対しては早期の社会復帰を実現するための最新の低侵襲手術を行っております。
また、内視鏡下腰椎椎間板ヘルニア切除術に加えて腰部脊柱管狭窄症に対しても内視鏡下椎弓切除術を積極的に行っています。
腰椎内視鏡手術は創が小さい、術後の痛みが少ない、手術の翌日から歩行可能など利点の大きな手術です。身体への負担も従来の方法に比べると大幅に減少しています。手術のための入院期間は1週間程度です。詳細につきましては担当医にお聞きください。
当センターへ患者さんをご紹介頂く際のお願い
脊椎の専門医の診療は予約制になっています。正しく患者さんの予約がお取りできるよう、紹介状の宛名は「脊椎センター」または「河野」「谷本」宛てでいただけますようお願いいたします。
なお外来は予約制ですが、緊急性の高い患者さんの当日受診も一般整形の医師で承ります。地域連携室までご連絡をお願いいたします。
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ご予約・緊急受診
地域連携室 直通番号
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03-3399-0257
(平日8:30~18:30 ※土曜は12:00まで)
医師紹介
<医師をクリックすると詳しい内容をご覧になれます>
河野 亨
Kono Toru
副院長
脊椎センター長主な専門脊椎、脊髄
医師紹介
整形外科
副院長
脊椎センター長河野 亨
Kono Toru
- 入職
- 1998年
- 主な専門分野
- 脊椎、脊髄
- 認定資格・所属等Qualification / Affiliation
- 医学博士
- 慶應義塾大学医学部整形外科客員准教授
- 杉並区医師会整形外科医会会長
- 日本整形外科学会整形外科専門医
- 日本整形外科学会認定脊椎脊髄病医
- 日本脊椎脊髄病学会指導医
- 経歴History
1983年 慶應義塾大学医学部 卒業
インタビューInterview
当院の脊椎センターの特徴について教えていただけますか。
脊椎センターというのは少ないイメージがあるかもしれませんが、最近は増えてきているような印象があります。脊椎専用の手術器具を揃えて、内視鏡の手術を多く行っているというのが特徴的ではないかという気がします。また、患者さんの多くは杉並区、中野区、武蔵野市、練馬区の方です。慶應大学関連の開業医の先生方からの紹介で来られる患者さんも多いですし、ほかにも近くの患者さんが手術を受けてよかったのでという口コミで来られる方も結構いらっしゃいますね。低侵襲性の手術とかを積極的にされていると伺っていますが、手術や手技について教えていただけますか。
手技については、まず皮膚の切開が2.5センチくらいで、非常に小さいということが特徴です。そこから内視鏡を入れて明るい視野で手術を行うので神経を誤って切ったりする可能性は非常に低いですし、出血も少ないです。傷も小さく術後の痛みも少ないので、次の日から立って歩いたりすることができるというのは一つの大きなメリットですね。術後の固定も、あまり骨をたくさん削らないのでコルセットを約1カ月つけてもらいますが、それも従来よりも半分くらいの日数になっています。患者さんの手術の対応年齢のようなものはあるのでしょうか。
手術自体の難易度とは別ですが、やはり高齢の方は回復に時間がかかります。でも内視鏡だと負担が少ないので、従来の手術よりも回復も順調な場合が多いです受診から手術を経て退院までの流れとしては、どれくらいの期間を要するものでしょうか。
例えば椎間板ヘルニアだと痛みが結構強いので、手術するのであればなるべく早くしています。受診をされて2週間後くらいに入院して手術、大体1週間くらいで退院です。脊柱管狭窄症だと、手術までの期間がもう少し長くなりますね。手術を不安に思われている方もいらっしゃると思いますが如何でしょうか。
確かに、侵襲は少ないですけれども、100%安心というとニュアンスは少し違うと思います。おそらく、その昔は麻痺になったりということもあったのかと思いますが、最近はそういう例はほとんどないです。そういった意味では安心されてもいいかなと思います。先生が患者さんに対してどのようなことに注意して対応されているのかを教えていただけますか。
まず、きちんと診断をつけるというのを第一に考えています。 診断をつけるということがどういうことかと言いますと、運動障害とか、感覚障害とか、反射とか、そういった面で神経の何番目がどういうふうに悪いのかということを診断するということです。 一般的な診療もそうですが、脊椎の場合はMRI所見が悪いからといって、必ずしもそれが痛みに直結するわけではないことも結構あります。狭窄が強いので、そこを手術すればよくなるかというと必ずしもそうではありません。神経学的に合っているのかどうかというのをきちんと確認してから手術をしないと、手術をしてもよくならないという人が出てくる可能性があります。神経根ブロックなど、何番の神経かとういうのを確認するような検査も必要だと思えば適宜やるようにしています。外来を受診した際は脊椎センターだと先生に診ていただけるのでしょうか。
私と大門医師、基本的には2人で対応するようにしています。これからの目標や、センターとしてやっていきたいことなどあれば教えてください。
脊椎の手術を行っているところは結構多いですが、まだまだ内視鏡の手術をやっているところはそれほど多くないと思います。脊柱管狭窄症の患者さんは大体全国で240万人くらいいると言われているので、そういった症状を持っている方というのはかなり多いです。脊柱管狭窄症も手術は今でも積極的にやっていますが、症例をたくさん積んでいきたいと思っています。受診を考えられている方にメッセージがあればお願いします。
私と大門医師、基本的には2人で対応するようにしています。外来を受診した際は脊椎センターだと先生に診ていただけるのでしょうか。
当センターでは、脊柱管狭窄症に対しての症例を数多く行ってきました。技術も進歩して現在では手術時間も以前のように掛からなくなってきています。今では確実に手術ができるようになってきていますので、安心して手術を受けていただけるかと思います。 「80代だから手術はもういいです」という方もいらっしゃいますが、脊柱管狭窄症は70代、80代の方がかなり多いです。「お年だから手術は」ということは決してありません。年を取っても内蔵が元気であれば手術はできる可能性はとても高いです。特に内視鏡の手術は侵襲が少ないので諦める必要は無いと思いますよ。谷本 祐之
Tanimoto Yuji
医員
主な専門脊椎
医師紹介
整形外科・脊椎センター
医員谷本 祐之
Tanimoto Yuji
- 入職
- 2020年
- 主な専門分野
- 脊椎
- 認定資格・所属等Qualification / Affiliation
- 医学博士
- 日本整形外科学会整形外科専門医
- 日本整形外科学会
- 日本脊髄障害学会
- 日本脊椎脊髄病学会
- 日本脊椎インストゥルメンテーション学会
- Socety for neuroscience
- 経歴History
2009年 杏林大学医学部 卒業 2009年 杏林大学医学部付属病院 初期臨床研修医 2011年 慶應義塾大学病院 整形外科 後期臨床研修医 2012年 済生会宇都宮病院 整形外科 2013年 北里大学北里研究所病院 整形外科 2014年 佐野厚生病院
メッセージMessage
2020年4月より脊椎センターの一員となりました。当病院赴任以前は、関東圏内の病院で脊椎関連や骨折・外傷(脊椎に限らず上肢下肢)の診療に取り組んできました。その後、大学院で脊髄損傷・脊髄再生の研究に従事しました。
脊髄は中枢神経に分類されるため、高度な障害を受ける前に脊髄の環境をできるだけ良くすることが重要だと考えております。また、頸部痛や腰痛の原因は多岐に渡るため、正確な診断をつけることを日々心がけております。診断確定後は、患者様と一緒に治療方針(手術、薬剤加療、運動療法)を決定していきます。脊椎関連でお悩みのある方がおりましたらお気軽にご相談ください。
注力疾患
得意分野について
腰椎椎間板ヘルニアにMED (microendoscopic discectomy)を、腰部脊柱管狭窄症にMEL(microendoscopic laminectomy)を導入しています。
症例紹介:79歳男性、腰部脊柱管狭窄症
術前MRI
術後MRI
2019年度治療実績
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頸椎 16 椎弓形成術 5 椎弓切除術 1 脊椎固定術1.前方椎体固定 6 脊椎固定術2.後方又は後側方固定 2 脊椎固定術3.後方椎体固定 1 内視鏡下椎間板摘出(切除)術2.後方 1 胸椎 9 脊髄腫瘍摘出術1.髄外のもの 2 脊椎固定術3.後方椎体固定 1 経皮的椎体形成術 4 黄色靱帯骨化症手術 2 -
腰椎 148 椎弓形成術 2 椎弓切除術 12 脊椎固定術2.後方又は後側方固定 2 脊椎固定術3.後方椎体固定 64 脊椎固定術4.前方後方同時固定 3 椎間板摘出術2.後方摘出術 9 内視鏡下椎間板摘出(切除)術2.後方 52 経皮的椎体形成術 4 総計 173
学会発表・講演
タイトル | 筆頭演者 | 発表年月 | 発表学会名 |
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硬膜外血種を伴った第3腰椎圧迫骨折に対し、経皮的養椎体形成および経皮的椎弓根スクリュー固定を行った1症例 | 河野 亨 | 2020.3 | 第25回救急整形外傷シンポジウム |
思春期特発性側彎症の成人期遺残例に対する矯正固定術後のインプラント関連合併症発生についての検討 | 大門 憲史 | 2019.11 | 第53回日本側彎症学会 |
当院における骨粗鬆症性椎体骨折に対する椎体形成術 | 大門 憲史 | 2019.6 | 第45回日本骨折治療学会 |
思春期特発性側彎症の成人期遺残例に対する矯正固定術のSRS-22で評価した臨床成績とX線パラメータとの関連について | 大門 憲史 | 2019.4 | 第48回日本脊椎脊髄病学会 |
THE ACCURACY OF PERCUTANEOUS PEDICLE SCREW PLACEMENT UNDER FLUOROSCOPIC GUIDANCE IN THE EARLY PERIOD OF INTRODUCTION IN A SINGLE SPINE CENTER | Toru Kono | 2019.10 | The 41st Annual Meeting of the Royal College of Orthopaedic Surgeons of Thailand(RCOST) |
思春期特発性側彎症の成人期遺残例における術後臨床成績とX線パラメータとの関連について | 大門 憲史 | 2018.11 | 第52回日本側彎症学会 |
A 20-Year Prospective Longitudinal Study on Degeneration of the Cervical Spine Using MRI in Volunteers | Kenshi Daimon | 2017.11 | CSRS45th Annual Meeting |
当院における骨粗鬆症性椎体骨折に対する椎体形成術(Balloon Kyphoplasty)の治療成績 | 河野 亨 | 2017.11 | 第23回救急整形外傷シンポジウム |
高所からの転落による腰椎脱臼骨折に対し後方固定術を施行した1例 | 大門 憲史 | 2017.11 | 第23回救急整形外傷シンポジウム |
20-year prospective longitudinal studyon degeneration of cervical spine using MRI in volunteers | Kenshi Daimon | 2017.5 | 33RD ANNUAL MEETING OF THE CSRS-ES |
思春期突発性側彎症の成人期遺残例における術前後の矢状面アライメントの変化について | 大門 憲史 | 2016.11 | 第50回日本側彎症学会 |