医師紹介
整形外科/手外科センター

手外科センター長
リハビリテーション科部長
リハビリテーション科部長
岡﨑 真人
Okazaki Masato
- 入職
- 2011年
- 主な専門分野
- 手肘外科全般、特に手肘の外傷とその後遺症
- 認定資格・所属等Qualification / Affiliation
- 日本整形外科学会整形外科専門医
- 日本手外科学会手外科指導医・専門医
- 日本手外科学会代議員
- 日本肘関節学会評議員
- 経歴History
1995年 慶應義塾大学医学部 卒業 2001年 荻窪病院整形外科 2005年 Department of Hand & Peripheral nerve Surgery,Royal North Shore Hospital (Sydney)留学 2006年 平塚市民病院整形外科 2008年 慶應義塾大学医学部整形外科
メッセージMessage
手肘の外傷とその後遺症、スポーツ障害、変形性関節症、関節リウマチ、末梢神経障害、腫瘍など非常に多くの症例を診療してします。誠に恐縮ですが、紹介予約制とさせていただいています。
インタビューInterview
先生の専門は手外科ということですが、範囲としては、どこからどこまでになるのですか。

出身大学によって多少の違いはありますが、荻窪病院の手外科の範囲は、肘の上から指の先までです。肩は入っていません。
来られる患者さんの症状としては、どのようなものが多いですか。
ケガはもちろん、その後遺症に悩んでいらっしゃる方、スポーツ障害、神経麻痺や腫瘍、関節リウマチ、変形性関節症、骨壊死の患者さんなど多岐に渡ります。症状で言うと、痛い、力が入らない、動かない、しびれる、腫れている、変形している、しこりが触れるなど、本当に何でもありで、これが多いというのは難しいです。 高齢の方はもちろん、外傷などは若い人の方が多いです。スポーツでケガした方とかたくさんいます。
一般の外来でも見てもらえるのでしょうか。
整形外科外来は現在全予約制となっています。やはり、必要な方に、必要な治療を受けていただきたいという思いから、地域の先生方からのご紹介をいただいた患者さんのみ、現状では診察させていただいています。
受診されている患者さんの地域がすごく広範囲にわたっておりますが、これには何か理由はあるのでしょうか。
まず地域連携がしっかりしていると思います。病院として地域連携は非常に力を入れているので、その結果が人数に繋がっているのだと思います。講演などもさせていただいたというのもあると思いますが、着実に増えてきていますね。地域の先生も納得する診療を続けているからこそ信頼をいただけているのではないでしょうか。ちょっとおかしいなという時は地域でかかりつけの病院で診てもらって、それで「ん?」という場合はここに紹介状を書いてもらう流れができていますね。
手外科は荻窪という意識付けができたのでしょうか。
そうですね。毎週15~20名くらいの患者さんが手外科センター宛の紹介状を持って来院されます。手前味噌になってしまいますが、手外科の手術などについて、ホームページに数字で「都内1」などとは書けないと思うのですが・・・実数は明らかに群を抜いていると思います。ちょっとした大学病院よりも多いと思いますよ。
代表的な手術ではどういったものがありますか。
多種多様な手術に対応していますが、中でも外傷やその後遺症に対する手術が多いです。地域の先生のところに行って骨折してずれていると手術になることが多いのでそういう症例や、筋腱が切れている靭帯が切れているという場合が一番多いです。手根管の手術は内視鏡で多く行っています。
野球肘について教えていただけますか。
実は私も学生時代に野球をやっていました。成長期にスポーツで肘を酷使しつづけると生じることがあります。酷使が原因ですので、どうしてもしばらく休む必要があります。その間に肩まわりや股関節も含めたストレッチや筋力強化をおこないます。症状が改善しない場合には、骨軟骨移植や靭帯再建などの手術を要します。
色々な手術がありますが一般的な手術をして、通常の生活をするのに差し支えないまでに治るにはどれくらいの期間がかかりますか。
当然どんな手術を受けたかにもよりますし、若い方か高齢の方かにもよりますが、切開した影響がなんだかんだといって消えるのは3ヶ月くらいかかります。内視鏡で行った手術であっても同じです。日常生活に復帰するには体の組織の反応が追いつく必要があります。

人工関節について教えていただけますか。
関節リウマチで肘の変形がひどい場合には人工関節を入れています。ケガによって変形した関節にも入れることがあります。若い人や力仕事をする人には入れないです。若い人は活動性が高いので、中に入れた人工物がゆるんでしまったり、早く壊れてしまうこともあるので。肘だけではなくて指などにも入れています。ただ、残念ながら普通にスポーツができるまでには回復はしません。現在の人工関節ではまだ動かせる範囲が多少制限されます。それでも長年痛みに苦しんできた関節リウマチの人などは非常に喜んでくれます。
患者さんと接する時に心がけているようなことはなにかありますか。
患者さんのニーズを聞くようにしています。やはり医療はどうしても限界があります。年齢的なもので痛んでしまったものを20歳と同じ関節にしてくれといわれても難しいので、どこまでどのように治したいか、というところを詳しく伺います。例えば、 動きを制限してでも痛みをとりたいのか、多少痛みが残るかもしれないけど動きが制限されては困るとかです。それで術式も多少変わる場合もありますし、術後のリハビリを少し無理するかとか極力再手術はないような安全な方法でいくなど、様々な判断をしていくことが大事だと思っています。ですから、初診は大変です。時間がかかります。患者さんの職業もしつこいくらいに聞きます。すぐに復帰しなくてはいけないとか、ギブスをしていても復帰できる職業なのかとか、サポーターしていたら全くできないとか、ニーズを汲み上げるのが重要ですね。「趣味はゴルフするの?」とかそういう話も聞いています。そのうえでこちらのできる事と限界、そして患者さんが何を1番求めているかを考えます。
最後に患者さんに向けてメッセージをお願いします。
外傷の場合患者さんは病院を選んでいる余裕はないと思いますが、リウマチの患者さんとか変形性関節症とかの患者さん、スポーツ障害とかの患者さんは急を要していない、ある程度病院を選べる状態だと思います。そういう人達に荻窪病院はこういうことをおこなっています、得意としていますということが届けばいいなと思います。病棟も手術室も外来もリニューアルされたし、何かあったら荻窪病院手外科センターを思い浮かべてほしいですね。